発達障害をもつ新人看護師の指導①発達障害をもつ看護師の現状

発達障害をもつ新人看護師の指導①発達障害をもつ看護師の現状

発達障害を持つ看護師さんが増えているのを
ご存じですか?

発達障害の看護職員の現状

厚生労働省の平成28年の調査では発達障碍者の方は48万1千人と公表されており、
年々増加している傾向にあります。

今回は
帝京平成大学ヒューマンケア学部看護学科教授の北川 明さんが書かれた
「発達障害のある看護職・看護学生支援の基本と実践」を参考に知識と経験を交えて
語っていきたいと思います。

発達障害について書いた他のブログの記事も参考にしてください。

発達障害をもつ新人看護師の指導②問題行動の考え方

発達障害をもつ新人看護師の指導③問題行動の理解と対策

発達障害をもつ新人看護師の指導④組織的な関わり方

発達障害をもつ新人看護師の指導⑤発達障害に気づく、気づいてもらう方法

看護師をされている方なら昔と新人看護師の個性が変化してきたのを
実感されている方がいると思います。

「あれ?そんな単純なこともできないの?

「言われたことをその場の状況を考えずに言われた通りにしかできない」

などに気づいたことや思ったことはありませんか?

 

もちろん新人看護師さんなので当然ですが、
一癖ある看護師さんや学生さんが増えているのは事実である
現場で15年働いており、毎年新人さんが入職する私の病院でもそのように感じます。

 

原因は発達障害にあるかもしれない!って考えたことありませんか?

発達障害を持っている人は看護師になれない?

「そんな、そんな発達障害なら看護師になる前に気づくしなれないでしょ?」
って思いませんか?

 

実はそうとは言い切れないんです。

 

発達障害でも知的障害がない場合も少なくはなく、学生の間には限られた仲間としか触れ合わなかったり、実際の仕事とは違うので多少効率がわるくても「ちょっと変わった子」「不思議ちゃん」「天然」と誤解されて学生時代を過ごし、本人もよくわからないまま看護師になって採用して就職することもあります。

看護師が学生とは違い、非常に高度な複数の作業(マルチタスク)を業務中に行います。
そしてその責任も大きなものになりやすい傾向にあります。
そのため、学生時代には潜在化していた発達障害が顕在化することがあります。

発達障害の方の教育

では発達障害のある新人看護師さんにどのような教育を行ったらいいのでしょうか?

大前提として

常に味方であるというスタンスを保ち、よく話を聞くことが大切です。

お仕事って疲れますよね。誰だって同じです。

 

常に味方でいる

よく考えてみてください。看護師はただでさえ大変なお仕事です。

発達障害のある方がからすれば、普通の人の何倍も気を使って努力しているけど

良い結果が伴わずに怒られたり、驚いたり、悲しんだりしているのです。

発達障害のある方からすると誰かが常に味方であることは心強く安心して仕事ができるのです。

 

発達障害の新人看護師の話をよく聞くこと

言わなくてもわかることってたくさんありますよね?
簡単な事ですが
「だれが身内が亡くなると悲しい」
「手術後は痛みが伴い不安になる」
などですが

発達障害の方には
「自分の身内が亡くなったことがないから悲しいのかわからない」
「不安な気持ちがわからない」という発言をしてしまうことがあります。

そういった発言はふさわしくないことが感じ取れないのが発達障害の方の特徴です。

私たちの常識である、わざわざ言わなくてもわかることが
発達障害の人からすると想像したり共感することが困難なことがあります。

なので

自分の言動で相手がどのような影響を受けるのかを可視化したり明文化する

ことが重要です。

たとえば
マニュアルに明文化する
教科書に書いてある
「悲しい」「不安」などの抽象的な表現を細かく伝えることが有効であることがあります。

また相手がどのよう発達障害の方の言動が相手にどのような影響を与えるのか明確に伝えることも重要です。

「看護師として、看護学概論で不安や悲観に対して共感する気持ちが大事であると習いましたよね?そうではないと患者さんは安心が得られず、円滑な療養生活がおくれません」など当たり前ではありますが細かく伝えることが大事です。

発達障害の人はハンデばかりではありません。
私たちの想像もできない奇想天外な方法で目的を達成したり、アイデアを提案できたりすることもあります。

発達障害の特性をもつ職員とのかかわり方

どのような付き合い方をしたらいいのか

発達障害を持つ新人看護師さんが就職すると周りは疲弊してしまうことがあります。
でもちょっと考え直してみましょう。

本人の考え方や行動を変えることと周りが変わることってどちらが簡単でしょうか?

就職してきたからには一緒に働かなければならないのです。
その時点で発達障害を持つ新人看護師さんと一緒に看護を行う
というミッションがすでに発生しています。
発達障害を理由にその新人看護師さんを排除することは容易ではありません。
だとしたら、

私たち、発達障害を取り巻く周りの人が考え方を変える

こと方が発達障害をもつ新人看護師さんも、私たちも最低限のストレスで働けると思います。

今後も看護にまつわる内容を少しずつアップしていくので一緒に勉強していきましょう。

私はまだまだ未熟者ですのでコメントでご指導などもいただけると嬉しいです。

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